2008 Fiscal Year Annual Research Report
オリエンチア・ツツガムシ菌体に存在が予想されるペプチドグリカンの解析
Project/Area Number |
20790340
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 恵介 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (10347057)
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Keywords | 微生物 / 細菌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
恙虫病の起因菌であるオリエンチア・ツツガムシ(以下、オリエンチア)には、これまでペプチドグリカン(以下、PG)が存在しないとされてきた。しかし、ゲノム解析を行った結果、オリエンチアにはPG合成に必要な遺伝子の大半が保存されていることが明らかになり、この内の一部についてはプロテオーム解析により発現も確認された。これらの事実が示唆するようにオリエンチアにPGが存在するのであれば、これを標的とした恙虫病の新規治療法の開発が可能となる。また、ゲノム上に存在するPG合成遺伝子のバリエーションからは、オリエンチアのPGが通常とは異なる構造を持つことが予想される。このような異型PGとヒト免疫機構の関係を明らかにすることは恙虫病の病態を解明する上で重要である。平成20年度については初めに、Fosfomycin、D-cycloserine、4-Phenylpiperidine等の宿主細胞内移行性に優れた各種PG合成阻害剤について、オリエンチアの増殖に与える影響を解析した。その結果、Fosfomycinが本菌に対し強い増殖抑制効果を示すことが明らかになり、オリエンチアが少なくてもMuropeptideを産生していることが示された。なお、増殖抑制効果の解析に先立ち、リアルタイムPCR法を用いてオリエンチア菌体数を求める解析系を構築した。この系により、本菌の増殖性について正確で迅速な解析を行うことが可能となった。さらに、PG合成関連遺伝子群の中からdapD・dapE・murA・murF・murG・ddl・slt遺伝子を選択し、リアルタイムRT-PCR法を用いて、これらの遺伝子の発現パターンを明らかにした。
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