2009 Fiscal Year Annual Research Report
オリエンチア・ツツガムシ菌体に存在が予想されるペプチドグリカンの解析
Project/Area Number |
20790340
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 恵介 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (10347057)
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Keywords | 微生物 / 細菌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
恙虫病の起因菌であるオリエンチア・ツツガムシには、ペプチドグリカン(以下、PG)が存在しないとされてきた。しかし、平成20年度の解析により、宿主細胞内移行性の高いPG合成阻害剤であるホスホマイシンが、本菌の培養細胞内における増殖を強く抑制することが新たに明らかとなった。そこで本年度は、「(1)アミノ酸分析機を用いたPG成分の検出」「(2)動物実験によるホスホマイシンのオリエンチア増殖抑制効果の検討」「(3)異型PGに対するヒト免疫系の認識機構の解明」を行った。 (1) L929、RAW264細胞を用いてオリエンチアを培養した後、宿主細胞ごとセルホモジナイザーを用いて機械的に破壊し、酵素処理と化学的処理によりPG分画を得た。現在、このPG分画を用いてアミノ酸組成とペプチド構造の決定を行っている。アミノ酸組成については、加水分解したPGを自動アミノ酸分析機を用いて同定する予定である。 (2) マウスの腹腔にオリエンチアの強毒株・弱毒株を各菌体濃度で接種し、病原性レベルを株ごとに明らかにした。この結果に基づき、菌体接種後の種々のタイミングで各濃度のホスホマイシンを経口投与し、恙虫病発症の抑制効果を検討した。 (3) NOD1・2は哺乳動物細胞の細胞質に存在し、PG構成成分を認識する自然免疫系分子である。オリエンチアに感染した宿主細胞内におけるNOD1・2の働きを明らかにするため、初めにNOD1・2により誘導されるNF-kBの活性化レベルを測定するためのルシフェラーゼアッセイ系を構築した。バックグラウンドレベルの低減等の改良を行った後、siRNAを用いてNOD1・2をノックアウトし、オリエンチア感染細胞におけるNF-kB活性化レベルの変化を解析した。
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