2008 Fiscal Year Annual Research Report
Toll-like receptor 10のリガンド探索および機能解析
Project/Area Number |
20790342
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
清水 隆 Kurume University, 医学部, 助教 (40320155)
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Keywords | Toll-like RecePtor / リポプロテイン |
Research Abstract |
Toll-like receptor(TLR)と呼ばれる一連の受容体ファミリーは、細菌の様々な菌体成分を認識し、炎症反応を誘導することが報告されている。これまでにTLR1からTLR11まで報告されているが、その中でTLR10はいまだにそのリガンドや機能が明らかとなっていない。本研究はTLR10の機能解析を目的としている。 TLR10はリポプロテインを認識するTLR1, 2, 6に配列が近いことから、TLR10とリポプロテインの関連性をまず検討した。TLR10の全長を293T細胞に発現させ、リポプロテインで刺激したところ、炎症反応の誘導は見られなかった。TLR10のTIRドメインを欠損させたTLR10をTLR2と共に293T細胞に発現させたところ、TLR2を介したリポプロテインによる炎症反応の誘導が抑えられた。このことからTLR10はTLR2の補受容体として機能していると考えられた。TLR10の発現がTLR2を介したポプロテインの炎症誘導を促進するかを検討するために全長のTLR10をTLR2と共に293T細胞に発現させた。予想に反して全長のTLR10の発現はリポプロテインによる炎症誘導を阻害した。このことからTLR10はTLR2のリポプロテイン認識を阻害することが示唆された。TLR10の機能を解析するためにSiRNAによるノックダウンを試みたが、THP-1細胞、293T細胞においてTLR10をノックダウンするに至らなかった。 またマイコプラズマの生菌がTLR2非依存的な経路でも炎症反応を誘導することを見出した。この反応がTLR10に関与しているかも今後検討したい。
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