2009 Fiscal Year Annual Research Report
家禽における腸管内の細菌および原生動物の共生関係と病原性細菌の伝播機構の研究
Project/Area Number |
20790346
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
関塚 剛史 National Institute of Infectious Diseases, 病原体ゲノム解析研究センター 第三室, 研究員 (40462775)
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Keywords | 細菌叢 / 原生動物 / 共生 / 分子生物学 / 原虫 |
Research Abstract |
動物の腸管内では、細菌以外に種々の原生動物も腸管内に寄生してる。しかし、その腸管内に存在する原生動物のより詳細な解析は行われていない。また、一部の細菌は、自然環境中で自由生活型の原生動物内に内在し、増殖若しくは長期間生存する事が可能であるとの報告がある。更に、トロイの木馬のように自由生活型原生動物の細胞内に潜んだ一部の細菌は、原生動物をベクターとして継ぎの宿主へ感染することも可能である事が報告されている。そこで、動物腸管内における細菌および原生動物の共存関係の解析を目的とした。本年度では、牧場の放牧牛の糞便内に存在する原生動物を効率的に回収する手法を考案した。回収した原生動物は、Blastocystis属及びBalantidium属に近い繊毛虫であり、両者共これまで報告の無かった新種である事が示唆された。更に、原虫外に存在する細菌、およびそれらのDNAを除去する手法も考案し、原虫内に内在すると思われる細菌と糞便全体に存在する細菌との比較をT-RFLP法にて行った。その結果、原虫に内在すると思われた細菌は、糞便中で主要に存在するBacteroidetesやFirmicutesとは異なるフラグメントパターンを示し、16SrRNA遺伝子のシークエンスの結果、Mogibacterium,Lactococcus,Turicibacter属細菌がBalantidium属の原虫に内在していた事が示唆された。原虫に内在すると示唆された細菌には、一般的な病原細菌は検出されなかった。また、糞便中の細菌叢を網羅的且つ定量的に解析する新たな手法を考案した。牛糞便中の原生動物の培養を試みたが、目的とした原生動物の試験管内での増殖
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