2008 Fiscal Year Annual Research Report
核様体蛋白質Hhaを介した病原性遺伝子発現と遺伝子再編成の制御機構
Project/Area Number |
20790348
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山本 章治 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第一部, 研究員 (80469957)
|
Keywords | 病原因子 / 遺伝子発現 / 遺伝子再編成 / 核様体蛋白質 |
Research Abstract |
腸管出血性大腸菌(EHEC)のゲノムにコードされるGrlA蛋白質は,複数の病原因子の発現制御に関与しており,III型蛋白質分泌系およびエンテロヘモリシンの発現を活性化する一方で,鞭毛の発現を抑制する。これまでの予備的な研究から,GrlAは核様体蛋白質Hhaを介して病原因子の発現をコントロールすることが示唆されている。この可能性を詳細に検討するために,GrlAの制御下にある3つの遺伝子(ler : III型蛋白質分泌系の正の制御遺伝子,ehxC : エンテロヘモリシンの構造遺伝子,flhD : 鞭毛レギュロンの正の制御遺伝子)とlacZの転写融合株を構築し,それらのlacZ融合遺伝子の発現に対するGrlAの効果がHha欠損によって抑圧されるかどうかを解析した。Hhaが欠損するとGrlAによるler : lacZの活性化が完全に抑圧された。一方,ehxC : lacZとflhD : lacZの発現に関しては,Hha欠損下でGrlAの効果が半分程度抑圧されるものの,完全には抑圧されなかった。以上の結果より,GrlAはHhaを介してler, ehxCおよびflhDの転写を制御するが,ehxCとflhDの転写制御には,Hhaを介した機構に加えて,別の機構が関与することが示唆された。現在,GrlAのHhaに対する作用機構(Hhaの発現もしくは機能におよぼす影響)について解析しているところである。
|
Research Products
(1 results)