2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790351
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宏樹 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (50418654)
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Keywords | ニパウイルス / 非翻訳領域 |
Research Abstract |
本研究は、ニパウイルスのもつ長いUTRの意義を明らかにする事を目的とする。20年度は、具体的には以下の項目に焦点を絞って解析を行った。 ・dicistronicミニゲノム系を用いたニパウイルス遺伝子UTRの性状解析 異なる2つのレポーター遺伝子を含むミニゲノムアッセイ系をニパウイルスで確立した。我々が既に確立しているミニゲノム系を基に、2種類の異なるルシフェラーゼ遺伝子の間に、ニパウイルスゲノム上の隣接する2つの遺伝子間の3'UTR-5'UTR配列を挿入した、dicistronicタイプのミニゲノムを確立し、これを華に、ニパウイルス各遺伝子の3'または5'UTRを様々に欠失したミニゲノムを作出した。各ルシフェラーゼの発現量を定量した結果、興味深いことに、ゲノムの上流に位置する遺伝子間でのルシフェラーゼ発現量にくらべて、下流に行くに従って発現量が減少していく傾向がみられた。他のパラミクソウイルスでは、各遺伝子間の発現量には大きな変化がないという報告がなされており、この現象はニパウイルスに特徴的なものであると考えられた。同様に、特徴的な6塩基挿入部位を含むバングラディシュ株M-F間UTRを組み込んだミニゲノムアッセイを行ない、マレーシア株M-F間UTRミニゲノムとの遺伝子発現量を比較した結果、大きな差は見られず、6塩基挿入は遺伝子発現に影響を及ぼさないことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)