2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790351
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宏樹 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (50418654)
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Keywords | ニパウイルス / 非翻訳領域 |
Research Abstract |
本研究は、ニパウイルスのもつ長いUTRの意義を明らかにする事を目的とする。21年度は、具体的には以下の項目に焦点を絞って解析を行った。 ・dicistronicミニゲノム系を用いたニパウイルス遺伝子UTRの性状解析 H20年度において、異なる2つのレポーター遺伝子を含むdicistronicタイプのミニゲノムアッセイ系を確立した。さらにこれを用い、各遺伝子間でのルシフェラーゼ発現量を比較した結果、ニパウイルスゲノムの上流に位置する遺伝子にくらべて、下流に行くに従って発現量が減少していくことを明らかにした。この現象を元に、H21年度は各遺伝子のUTRのどの領域が遺伝子の発現量を規定するかを検索した。具体的には、最も発現量の多いN-P遺伝子間と、最も発現量の低いG-L遺伝子間の各5'または3'UTRのキメラ配列を作出し、遺伝子発現の変動を比較した。その結果、遺伝子間の介在配列をはさむ前後50塩基には遺伝子発現を規定する活性はなく、より広範な領域が必要であることが判明した。また、各遺伝子の発現量をNorthern blotによるRNAのレベルで測定したところ、N-P間とG-L間ではread throughの効率にはほとんど差はなく、後半の遺伝子発現量のみが影響をうけていることが明らかになった。
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