2009 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスRNP核外輸送の解析とその機構を利用した新規阻害剤の探索
Project/Area Number |
20790355
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡辺 健 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00346909)
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Keywords | ウイルス / RNP / インフルエンザウイルス / 海洋微生物 / 新型インフルエンザウイルス / 核外輸送 / 抗ウイルス薬 / 阻害剤 |
Research Abstract |
本研究でインフルエンザウイルスに対する核外輸送阻害剤の作用を検討する上でウイルス検体として、21年5月に流行が始まった新型インフルエンザウイルスの収集も行った。長崎市保健所や長崎大学病院(第2内科等)との連携により当研究室のBSL3実験室の培養設備でウイルス分離を行った。秋以降、数度にわたり今シーズンの臨床検体を長崎市保健所の下部機関である長崎市保健環境試験所等より受領、ウイルス分離、PCR、塩基配列決定によりその大半が新型ウイルスであることを決定した。これら多数の臨床分離ウイルスの中から評価に使用する臨床ウイルス株のデータベース登録及び選定を進めている。 インフルエンザウイルスRNP核外輸送阻害剤の候補の評価:京都薬大村上先生より新規核外輸送阻害剤(ACAおよびValtrate)を分与頂き抗インフルエンザウイルス活性を評価した。結果、培養細胞レベルでウイルス実験室株の増殖を抑制した。現在学術論文取り纏め中である。マウスモデルでの評価系はインフルエンザウイルス経鼻感染系を確立し、体重減少、血中および粘膜面への免疫応答の誘導がおきる事を証明し、論文報告を行った。これをもとに核外輸送阻害剤のマウスモデルでの評価を早急に行う予定である。また、研究計画に従い長崎県沿岸で採取された海洋微生物ライブラリー5000株より核外輸送阻害活性をもった候補を見いだし、4411株(エロモナス属菌株)を選定、硫安沈殿画分、陰イオン交換樹脂での部分糟製および質量分析機による活性因子の同定を行った。活性因子は蛋白性因子であり、質量分析によりその候補を同定した。(論文準備中)現在その抗インフルエンザウイルス活性とともに作用機序の詳細な解明を行っている。
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Research Products
(2 results)