2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790360
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
河本 聡志 Fujita Health University, 医学部, 講師 (60367711)
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Keywords | ロタウイルス / リバースジェネティクス / VP4 |
Research Abstract |
エンベロープウイルスの多くは、表面スパイク蛋白質が宿主プロテアーゼによって切断活性化されて膜融合活性を獲得する。このため、宿主プロテアーゼによる表面スパイク蛋白質の活性化は、多くのエンベロープウイルスの病原性発現に深く関わっている。非エンベロープウイルスであるロタウイルスもVP4がトリプシンでVP8^*とVP5^*に切断されることで感染性を獲得する。VP4の切断部位には高度に保存された非連続の3個のアルギニン(Arg-231、Arg-241、Arg-247)が存在し、異なる感受性でトリプシンにより切断される。そこで、私達が世界に先駆けて開発したリバースジェネティクス系(ヘルパーウイルスを必要とする)を用いて、最もトリプシン感受性が高いArg-241に変異導入した組換えロタウイルスを作製した。この変異ウイルスは培養細胞で増殖可能であり、トリプシン依存性にも変化がないことが明らかとなったが、増殖能は親株から一桁近く低下しており、発現蛋白質を用いた解析では見出すことのできなかった知見が得られつつある。今後、さらに残る2個のアルギニンに変異導入した組換えウイルスを作製すれば、ロタウイルスの間で高度に保存されるこれら3個のアルギニンの重要性が明らかになるであろう。一方で、現在のシステムを発展させることで、完全にcDNA由来のロタウイルスの回収を目指したい。
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Research Products
(2 results)