2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌内ウイルスゲノム改変系を利用したHSVウイルス制御因子の解析
Project/Area Number |
20790361
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
田中 道子 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (10356248)
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Keywords | 組換単純ヘルペスウイルス / 大腸菌 |
Research Abstract |
単純ヘルペスウイルス(HSV)は基礎研究の分野で古くから勢力的に解析が行われ、また近年では遺伝子治療ベクターとして臨床研究の分野でも注目を集めている。いずれにおいても第1段階として組換えウイルスの作製が必須である。しかし、従来の組換えウイルス作製技術は煩雑でありかつ、かなりの長期間を要した。 本研究の目的はこれまでに申請者が開発してきた独自の大腸菌内における組換えウイルスゲノム改変法を利用し、HSVの様々な発現タンパク質の詳細な生物学的解析を行い、HSVの病原性の解明に近づくことである。申請者は新たに導入した、Isce-I法を利用し、更にそのオリゴを工夫することで今まで時に困難であったrepaireウイルスの作成も容易にする方法をほぼ確立した。また、単独発現系のMass解析によりウイルス因子のみでなく,宿主因子側からもHSVと相互作用する新たな蛋白を発見するべく方向性を広げた。これにより,新たな、HSV病原性に重要と思われるいくつかの宿主蛋白の候補も同定できており,今後それらに関する新たな解析を進めていく。
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