2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング機能を担うGATA3複合体の同定と機能解析
Project/Area Number |
20790367
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細川 裕之 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (60431756)
|
Keywords | GATA3 / Th2細胞 / クロマチン / プロテオミクス |
Research Abstract |
Th2細胞はI型アレルギー疾患の発症や病態形成において中心的な役割を果たす。GATA3は、Th2サイトカイン遺伝子座のクロマチンリモデリングを引き起すことで、Th2細胞への分化を決定するTh2細胞分化のマスター転写因子であることが明らかになっている。 本研究の目的は、クロマチンリモデリングを誘導するGATA3複合体に含まれる機能的制御分子を同定することで、GATA3がどのような分子メカニズムを介して制御を受け、どのように生理作用を発揮するのか? という核心に迫ることである。 1. 標識抗体及び特異抗体を用いたGATA3複合体のアフィニティー精製 マススペックによる同定の前段階としてレンチウイルスを用いてFlag tagを付加したGATA3を発現するTh2細胞クローンを確立し、抗Flag抗体を用いて免疫沈降法によりGATA3複合体を粗精製した。さらに抗GATA3抗体を用いてGATA3複合体を高度に精製した。CBB染色や銀染色で確認された特異的分子のポリペプチドのゲルスポットを切り出し、LC-MS/MSを用いて目的タンパクの同定を行なった。 2. GATA3複合体中の機能的分子群の絞り込み 同定された分子が生理的に重要であるか、スクリーニングを行うために、primary CD4 T細胞を用いたsiRNAによるノックダウンシステムを確立した。この実験系を用いることで、GATA3会合分子の中からTh2細胞の分化制御に関わる分子をスクリーニング中である。Th2細胞分化に影響を与えることがわかった分子については、cDNAをクローニングし、GATA3との会合やクロマチン免疫沈降法によるTh2細胞特異的なTh2サイトカイン遺伝子座への会合を確認中である。
|