2008 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球におけるmDiaファミリー蛋白質の包括的機能解析
Project/Area Number |
20790372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 大治 Kyoto University, 医学研究科, 研究員 (70456870)
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Keywords | mDia / アクチン / リンパ球 / 免疫 / 遺伝子欠損マウス / 細胞遊走 / 細胞骨格 / アレルギー |
Research Abstract |
(1)mDia1欠損マウスでの免疫反応の解析。 病態時の免疫系におけるmDia1の役割を解析するため、野生型マウス及びmDia1欠損マウスに接触性皮膚炎モデルを適用しリンパ球の反応性を調べた。まず、耳介厚腫脹を指標に免疫反応を評価した際、mDia1欠損マウスは野生型と比べて有意に免疫反応が減弱していた。さらに野生型マウス及びmDia1欠損マウスをハプテンであるDNFBにて感作した後5日目にリンパ節細胞を採取し、同一抗原性を有するDBSにて刺激して抗原特異的な細胞増殖を調べた結果、mDia1欠損マウス由来リンパ節細胞は野生型と比較して細胞増殖反応が有意に低下していることが明らかとなった。 (2)mDia3の免疫系における役割の解析 ナイーブ状態の野生型マウスとmDia3欠損マウスとで胸腺及び末梢リンパ器官での免疫系細胞の構成について比較した。H&E染色により各組織を調べたが明確な差異は認められなかった。また免疫組織染色により胸腺、脾臓、リンパ節を調べたが、染色パターンの違いは認められなかった。さらにフローサイトメトリーで胸腺、脾臓、リンパ節、抹消血での免疫系細胞の構成を調べたが野生型とmDia3とで有意な差は認められなかった。次にmDia3欠損マウス由来リンパ球の遊走能を調べるため、トランスウェルを用いてケモタキシスアッセイを行った。mDia3欠損T細胞は野生型T細砲と比べ有意な遊走能の減弱を示したが、その程度は20%前後であった。またB細胞については有意な差は認めないものの減弱傾向を示した。T細胞の反応性についてanti-CD3刺激による細胞増殖反応を指標に検討したが、mDia3欠損T細胞は野生型と比べて20%前後の減弱を示した。
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