2008 Fiscal Year Annual Research Report
Nepmucinによる白血球動員および免疫反応制御機構の解明
Project/Area Number |
20790374
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅本 英司 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90452440)
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Keywords | 免疫学 / 接着分子 / 白血球動態 |
Research Abstract |
報告者らは、これまでにリンパ節の特殊な細静脈、高内皮細静脈(HEV)に発現する新規分子nepmucinを同定し、nepmucinはHEV上で、リンパ球のローリングおよび接着を媒介することを報告してきた。本研究課題で、リンパ球動態におけるnepmucinの役割を詳細に検討した結果、nepmucinはリンパ球上の未同定リガンドとヘテロフィリックに結合するだけでなく、ホモフィリックな結合様式を介してnepmucin自身と結合することが明らかになった。リンパ球の血管外遊走を制御する分子機構には不明な点が残されているが、報告者らは血管内皮細胞に発現するnepmucinによるホモフィリックな結合が、リンパ球の血管外遊走を促進することを新たに見出し、その成果を学術論文として発表した。 さらに、報告者は研究計画に従い、nepmucin以外のnepmucinリガンドの同定を試みたところ、nepmucinはアポトーシス細胞に強く結合することを見出した。アポトーシス細胞では細胞膜内面に存在するフォスファチジルセリンが細胞膜外面に露出されることから、細胞膜を構成する種々のリン脂質に対するnepmucinの結合性を検討したところ、nepmucinは選択的にフォスファチジルセリンに結合することを明らかにした。Nepmucinを発現する細胞株はアポトーシス細胞を細胞内部に取り込むこと、またnepmucinは血管内皮細胞だけでなく特定の貪食細胞にも発現することから、貪食細胞上のnepmucihはアポトーシス細胞を取り込むことにより、免疫反応を制御する可能性がある。現在、nepmucinによるアポトーシス細胞の取り込みが、どのような生理的意義を果たしているか解析を進めているところである。
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Research Products
(5 results)