2008 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛シグナルによるマスト細胞サイトカイン産生機構の解明
Project/Area Number |
20790381
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 哲 The Institute of Physical and Chemical Research, サイトカイン制御研究グループ, 研究員 (30392161)
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Keywords | マスト細胞 / サイトカイン産生 / アレルギー反応 / 亜鉛透過性チャネル / 亜鉛ウエーブ |
Research Abstract |
申請者は以前の研究において、細胞内亜鉛濃度変化が抗原刺激依存的に数分の単位で起こる"亜鉛ウエーブ"という現象を見いだした。本研究では引き続き、亜鉛ウエーブを引き起こすより詳細な分子メカニズムの解明を試みた。 申請者は、亜鉛ウエーブの発生に関与している分子の同定を第一に行った。可能性のある候補として、亜鉛トランスポーターと亜鉛透過性チャネルが考えられ、複数の亜鉛トランスポーターを検討した結果、亜鉛ウエーブにおける関与は認められなかった。つぎに亜鉛透過性のチャネルを阻害剤を用いて検討した結果、亜鉛ウエーブの抑制を確認した。このチャネルをsiRNAを用いてノックダウンしたが、ノックダウン効率が低く、効果が確認できなかった。次にこのチャネルの局在を共焦点レーザー顕微鏡、FACS、スクロース密度勾配分画を用いて検討した結果、細胞膜よりも細胞内で優位に発現していることが示され、亜鉛ウエーブが細胞内から発生することと一致した。さらにマスト細胞の活性化に対するこのチャネルの阻害剤の効果を検討したところ、脱顆粒反応は抑制せず、サイトカイン制御を抑制することが示された。この結果と一致して、この阻害剤はマウスにおける実験的な接触性過敏症を抑制することを確認した。また、この阻害剤がサイトカイン産生のどのステップを抑制しているかを検討した結果、転写の鍵となるNF-kBの核移行をよくしていることが明らかになった。 これらの結果から、本研究では、亜鉛ウエーブが亜鉛透過性チャネルを介して発生して、サイトカイン産生のシグナル伝達を正に制御していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)