2009 Fiscal Year Annual Research Report
パイエル板上皮-リンパ球間クロストークによるM細胞分化誘導機構の解明
Project/Area Number |
20790383
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷 耕二 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
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Keywords | M細胞 / パィエル板 / 上皮細胞 / 樹状細胞 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
これまでの報告から、M細胞は、リンパ濾胞内の免疫系細胞と相互作用することにより分化すると考えられる。しかしながらリンパ濾胞内のどのような細胞種がM細胞インデューサーとして機能するかは分かっていない。そこで本研究ではM細胞インデューサーの同定とその性状解析を行った。昨年度までに、M細胞が減少しているCCR6欠損マウスと野生型マウスのバイエル板リンパ球のFACS解析の結果から、バイエル板にはCD11c陽性の特殊なB細胞(CCR6^<hi>CD11c+B細胞)が存在し、本細胞集団がM細胞のインデューサーとして機能することを明らかにしてきた。今年度は更にCCR6^<hi>CD11c+B細胞を完全に欠損するJHDマウスやRag1欠損マウスのバイエル板においてM細胞を観察したところ、野生型マウスのバイエル板と比較して少ないながらもM細胞が検出された。これより、バイエル板にはBおよびTリンパ球系以外のM細胞インデューサーが存在すると考えられた。バイエル板上皮層の直下には樹状細胞(DC)が多数存在することから、CD11cプロモーター領域下にジフテリア毒素受容体(DTR)cDNAを挿入したトランスジェニックマウスを用いて、M細胞の分化誘導におけるDCの関与を調べた。本マウスにジフテリア毒素(DTA)を投与するとバイエル板上皮直下に存在するCD11c^<hi>のコンベンショナルDCのほとんどが除去された。DTA投与後のバイエル板上皮層を共焦点レーザー顕微鏡にて観察したところ、M細胞の顕著な減少が認められた。以上の結果から、パイルエル板ではCCR6^<hi>CD11c+B細胞とCD11c^<hi>DCの両方がM細胞インデューサーとして働くことが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)