2008 Fiscal Year Annual Research Report
診療参加型実習のアウトカム評価:オンライン症例カードと高機能シミュレータの有用性
Project/Area Number |
20790389
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 仁美 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20420490)
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Keywords | 医学教育 / 臨床 / 診療参加型実習 / シミュレーション / 卒後臨床研修 |
Research Abstract |
【目的】 診療参加型実習の長所を生かすためには統一した基準で実習経験を評価し、フィードバックすることが必須である。我々はこれまで、3年間継続して内科系臨床実習の経験評価を行ってきた。初年度の紙ベースの記録、2年目のエクセルファイルでの記録を経て、今回web入力によるオンライン実習記録の構築と評価を試みた。 【方法】 2008年9月から12月までの期間、内科系基本臨床実習を行った100名の5年時学生を対象とした。内科での実習において医学教育モデル・コアカリキュラムで定められた学習項目の到達度とオンライン実習記録の有用性を評価した。さらに、オンライン実習記録ソフトの改善のため、学生にアンケートを行った。 【結果】 オンラインデータベースに自主的に入力をした学生は21名であった。うち12名の入力データが解析可能であった。解析によって、1 : 大学病院の実習は参加型であるが学外病院の実習は外来見学が主体であること2 : 多くの主要症候を経験可能であるのは外来実習を含む科であること、3 : 記入状況に個人差が大きく、web入力を確実に行うためには指導医との双方向性のコミュニケーションが必須であることがわかった。 【結論】 本研究によって、内科各科で行われている診療参加型実習の質的・量的な客観的評価がリアルタイムで可能となった。オンライン実習記録によって学生及び各科指導医が実習の進捗状況が把握できる利点とともに、どのように入力精度を上げるかという課題が生じた。紙、エクセルファイルなどの指導医に直接データを提出する方法と比較してweb入力は強制力が少なく、入力をきちんと行うために指導医からの働きかけが必須であることがわかった。オンライン実習記録システムに指導医との双方向性コミュニケーション機能を持たせることで、単にデータ分析に留まらない教育効果も期待でき、今後の課題としたい。
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