2010 Fiscal Year Annual Research Report
居宅における家族介護者の音声を用いた身体的疲労評価ツールの開発に関する研究
Project/Area Number |
20790392
|
Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
千葉 登 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (30347926)
|
Keywords | 介護疲労 / 福祉 / 介護 |
Research Abstract |
この調査研究の目的は、在宅介護者が少なからず感じている「疲労」を主観的な方法からだけでなく、客観的な方法でかつ簡便に測定する方法について検討することとである。その結果、在宅介護者と要介護者が共倒れしない継続した在宅生活が送れるとともに、在宅介護者の健康維持へつながることが期待できる。 対象者はA県B市の在宅介護を行っており、本研究に同意の得られた在宅介護者9名(男性2名、女性7名、69.3±9.1歳、50~82歳)とした。方法は、対象者宅において(1)Visual analog scale (VAS)、(2)フリッカーテスト(CFF)、(3)自律神経評価(HF、LF/HF)(4)蓄積的疲労調査票(CFSI)、(5)読音声録音を調査・測定を行った。朗読音声については音声カオス解析ソフトを使用し、採取したデータから数値データ(音声指数)に変換した。これらを元に音声指数と疲労パラメーターとの関連性について検討した。その結果、VASにおいては、CFSIのイライラ感、うつ感と高い相関が得られ、主観的疲労感は一定の信頼性のある結果であった。しかしながら、音声指数は、一定の傾向が認められなくVASや疲労のパラメーターであるCFF、及びHF、LF/HFとの間に、有意な相関関係は認められなかった。今回の測定はフィールド研究であったため、測定環境の一定しない状況下により測定が行われこと、また、自覚的には疲労感があった対象者でも運動による生じる疲労感よりも相対的には身体的疲労感は少なく、精神的疲労感のほうが大きい可能性が考えられた。本研究において測定環境の限界(環境設定の問題)と軽微な疲労の測定に限界が生じる可能性が示唆された。
|