2008 Fiscal Year Annual Research Report
救急初期診療に必要な侵襲的手技のためのマネキンと屍体による臨床解剖学教育の開発
Project/Area Number |
20790393
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山崎 元靖 Keio University, 医学部, 共同研究員 (00296716)
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Keywords | 医学教育 / 臨床解剖学 / シミュレーション / 屍体 |
Research Abstract |
初期臨床研修医、後期研修医を対象に外科的気道確保(輪状甲状靱帯穿刺・切開、気管切開)の講習会を開催した。座学による解剖と手技の説明の後、マネキンを用いて実習を行った。その後に実際に手技に用いる医療器具を使用しながら、ホルマリン固定した屍体に外科的気道確保を行い、各手技に必要な臨床解剖学の知識を学んだ。講師は2人(日本救急医学会指導医)、受講者は4人(初期臨床研修医3人、後期臨床研修医1人)マネキン1体、屍体2体を用いて、時間は210時間を要した。講習会終了後に講師、受講者に対してアンケート調査を行った。(1)解剖の知識が深まったか? (2)スキルの理解に役立ったか? (3)臨床に役立つか? について、全ての質問で屍体による解剖教育を付加した方が、マネキン単独の実習より良いと評価されている。今回、明らかになったことは、使用する器具にもよるが、輪状甲状靱帯穿刺・切開は屍体でも繰り返し行うことができること。気管切開の手技は1度しか行えないこと。ホルマリン固定屍体は固いため、臨床現場とは触覚がかなり異なること。通常は迅速に行わざるを得ず、視野も不良な手技であるが、ゆっくり、繰り返し説明することができることで非常によい教育の場になりうることが示唆された。しかし、受講者1〜2人あたりに1体の屍体を用意しなければ非常に効率が悪くなる事なども明らかになった。また、皮膚・皮下組織の固さなど、ホルマリン固定前の新鮮屍体を用いることで改善が期待できるものも多いことも示唆され、今後の研究課題になると考えられた。
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Research Products
(2 results)