2008 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハビリテーション病棟を退院した人々の社会参加に関連する環境因子の検証
Project/Area Number |
20790397
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Research Institution | Saitama Medical School Junior College |
Principal Investigator |
加藤 剛平 Saitama Medical School Junior College, 理学療法学科, 助教 (60465820)
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Keywords | 居住環境 / 介護度 / 社会参加 / リハビリテーション / 介講保険 / HACE |
Research Abstract |
本研究の目的は、回復期リハビリテーション病棟を退院した患者らの社会参加に与える環境因子の検証を行うことである。これら対象者らの社会参加に与える環境因子を測定するには、まず第一に、退院後の介護保険サービス利用状況の対象者らの活動能力に対する影響を考察しなくてはいけない。第二に、より広範囲な環境因子の影響を考察するためには、介護保険サービス以外の環境因子を評価する必要性がある。従って、現時点では主に以下の二つの研究を実施した。 1)介護保険サービスの利用が利用者の介護度変化に与える影響を考察した。本研究の意義は、環境因子の一つである介護保険サービスの利用が利用者の活動能力に対してどのような影響をもたらすかを明らかにしたことである。日本においては、本研究のように介護度変化をアウトカム指標とし、また、介護度が高い地域在住高齢者を対象とした縦断研究は少ないという点で、本研究は重要である。本研究の主な結果は、1)介護度が低い人が短期入所生活介護サービスを利用しても、介護度の悪化を防ぐことは難しいこと、2)介護度が高い人が居宅療養管理指導を利用しても介護度の悪化を防ぐことは難しいことであった。 2)米国ボストン大学のKeysor博士らが開発した、環境評価尺度であるHome And Community Environment(HACE : 居住環境評価尺度)を日本語へ翻訳し、その妥当性と信頼性の検証を実施している。本研究の意義は、何らかの障害を持つ人々の社会参加への環境の影響を測定するための基礎的な研究として意義があると考えられる。世界保健機構によれば、環境因子の参加に与える影響はいまだ明らかにされていない。今後これらの分野の発展のために、本研究は重要であると考えられる。本研究の結果は、1)評価の一部の領域においてはその妥当性が示されたこと、2)特定高齢者において評価用紙の信頼性が確認されたことである。
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