2009 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハビリテーション病棟を退院した人々の社会参加に関連する環境因子の検証
Project/Area Number |
20790397
|
Research Institution | Saitama Medical School Junior College |
Principal Investigator |
加藤 剛平 Saitama Medical University, 保健医療学部, 助教 (60465820)
|
Keywords | 社会参加 / 社会的排除 / リハビリテーション / 環境因子 |
Research Abstract |
障害を持つ高齢者の活動や参加を促し、社会的排除を防止するリハビリテーションアプローチを模索するために、本研究はICF(International Classification of Functioning,Disability and Health;国際生活機能分類)の概念に着目した。ICFの特徴は、活動や参加に関連する因子として、環境因子の重要性を提案している点である。ICFの環境因子は、個人・集団レベルの環境1)生産品と用具、2)自然環境と人間がもたらした環境変化、3)支援と関係、4)態度、と社会レベルの環境5)サービス・制度・政策と大きく5つに分類される。そこで、本研究は活動および社会参加と個人・集団レベルの環境因子の関連を明らかにする前段階として、米国のKeysorら(2005)によって開発され、1)生産品と用具、および4)態度の環境を評価する尺度、HACE(Home And Community Environment)を日本語へ翻訳し、妥当性と信頼性を有する居住環境評価尺度Home And Community Environment(HACE)日本語版を作成することができた。 また、社会レベルの環境因子、5)サービス・制度・政策として、日本の介護保険制度に着目し、地域在住要介護高齢者の要介護度変化と居宅サービス利用の関連について検討した。その結果、介護度の変化と介護保険サービスの利用が関連することが明らかになった。今後、地域在住要介護高齢者らの活動や参加を促す環境を作り上げていくには、本尺度を用いて個人や集団レベルの環境の評価をし、必要な改善を図ること、また社会レベルでの環境因子であるサービス・制度・政策については、その影響を客観的に評価し問題点を明らかにしていくことが重要であると考える。
|