2008 Fiscal Year Annual Research Report
独自ペプチド解析技術による消化器癌の血中新規腫瘍マーカー探索と実用的診断法の確立
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20790410
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 守 Chiba University, 医学部・附属病院, 助教 (20401002)
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Keywords | プロテオーム / ペプチド / 消化器癌 |
Research Abstract |
現在用いられている血清腫瘍マーカーはいずれも進行癌では陽性率が高いものの、早期癌の検出率は非常に低い。したがって、血中に存在する新しい腫瘍マーカーとなりうるペプチドを見つけることが、癌の早期診断には欠かせない。本研究は独自のペプチド抽出法を用いて、血清・血漿中の新規腫瘍マーカー候補ペプチドを探索し、臨床基礎研究(診断マーカー候補ペプチドの多施設臨床試験、簡単なアッセイ系の構築、既存のマーカーとの比較)をとおして癌の早期診断、治療方針の検討、再発予測を行うための診断薬、診断法を開発することを最終的な目的とする。 当該年度は独自のペプチド抽出法を用いて、血清・血漿中の新規腫瘍マーカー候補ペプチドを探索と同定を重要課題として行った。現在までに健常人15例、食道癌術前患者13例、術後患者11例の血清の解析を行った。その結果、食道癌患者血清で増加しているピークを20ピーク検出できている。各ピークの同定も行っているが、同定できたピークは1ピークとなっている。この原因としては、ピーク強度が低いこと、候補ピークが単離できていないことが考えられる。これについては、使用する血清量を増やすこと、FT-MSのようにより分解能の高い質量分析計での同定を考えている。 また現在、同定できているマーカー候補ペプチドについては、安定同位体標識ペプチドを合成中である。合成品ができしだい、マーカー候補ペプチドの定量を行う。
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