2009 Fiscal Year Annual Research Report
多角的プロテオーム解析による予後不良消化器癌の早期診断法の開発
Project/Area Number |
20790411
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
梅村 啓史 Chiba University, 医学部附属病院, 医員 (90456070)
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Keywords | 消化器癌 / バイオマーカー / 血清 / プロテオーム / ペプチドーム / MALDI-TOF MS / 臨床検査 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度にWCXビーズを用いた検討で高分子キニノーゲンの断片と同定した2種類のペプチド(1945Daと2210Da)について、胃癌腫瘍マーカーとしての診断効率を検討した。既存のCEAとCA19-9と比較したところ、2210DaはCEAおよびCA19-9を、1945DaはCA19-9を上回るAUCを示した。これを早期癌(粘膜下層までの癌)に限定して検討したところ、両ペプチドともにCEAとCA19-9を圧倒するAUCを示し、特に早期癌の検出に有用なマーカー候補であることが確認された。一方、血清のWestern blotを行ったところ、高分子キニノーゲンのバンドが術後検体や正常コントロール検体でより強い発現を示した。血清中のペプチドのレベルと高分子キニノーゲンのレベルの相関を検討したところ、両者は有意に逆相関していた。したがって、胃癌患者の血清中では高分子キニノーゲンが分解され、断片化したペプチドがMALDIで観測されたものと推測された。近年、高分子キニノーゲンのHKaとD5ドメインについて新しい機能が明らかになってきた。HKaとD5ドメインは血管新生抑制作用を持つされ、今回同定したペプチドのアミノ酸配列はD5ドメイン内に存在していた。本研究により、局所の癌やその周辺環境が高分子キニノーゲンやD5ドメインを分解し、血管新生を亢進させているメカニズムの存在が示唆された。今回同定したペプチドおよび高分子キニノーゲンの分解機溝は胃癌の新しい血清バイオマーカーとなるものと考えられる。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Measurement of serum 5.9KDa fragment of fibrinogen α chain(FIB 5.9)by MALDI-TOF MS with stable-isotope labeled standard in patients with liver diseases2010
Author(s)
Nomura F, Sogawa K, Kodera Y, Umemura H, Satoh M, Sawai S, Matsushita K, Yokosuka O, Noda K, Kiyokawa I, Kojima R, Katayama K
Organizer
MSACL 2010
Place of Presentation
San Diego, CA
Year and Date
2010-02-08
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