2009 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌の抗菌薬耐性に関わる外膜蛋白質変異の迅速検査法の開発とサーベイランスの実践
Project/Area Number |
20790413
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
堀井 俊伸 Tottori University, 医学部, 准教授 (80283430)
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Keywords | 緑膿菌 / カルバペネム系薬 / 外膜タンパク質 / 抗菌薬耐性 / OprD / OprM |
Research Abstract |
緑膿菌Pseudomonas aeruginosaにおいて,抗菌薬耐性は治療を困難にさせるだけでなく病院感染症のアウトブレイクの原因となる頻度を高くする。なかでも,外膜タンパク質であるOprD/OprMの変異はP.aeruginosaにおけるカルバペネム系薬耐性の主要な機序の一つであるが,現在のところ,これを日常診療の臨床検査で検出することは不可能である。そこで,今回,OprD/OprM変異をタンパク質レベルで定量または定性するための測定系を構築し,最終的には,迅速かつ簡便で臨床応用が可能な測定系として完成させることを目的に研究を行うこととした。さらに,構築した検出系を用いて,OprD/OprM変異によるP.aeruginosaのカルバペネム系薬耐性の分布状況を明らかにするための疫学的解析(サーベイランス)をできるだけ規模を大きくして行い,適切な抗菌薬療法を推進するためのエビデンスを得ることも視野に入れた研究を展開する。 平成21年度は,当該研究課題の終了予定年度(平成22年度)で計画しているサーベイランスの実践において必要となる分子生物学的解析法の確立に向け,カルバペネム系薬耐性に関わるOprD変異を高感度かつ特異的に検出するための諸条件の適正化に関する検討を継続した。成果として,効率的な外膜タンパク質抽出法を構築するとともに,高速免疫染色装置を利用したウェスタンブロット法による検出系とELISA系による検出系の二つのOprD変異迅速検出系を確立した。現在,これらの手法を用いたサーベイランスの実践に向け,準備を進めているところである。
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