2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790419
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
財満 信宏 Hamamatsu University School of Medicine, 分子イメージング先端研究センター, 特任助教 (40455572)
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Keywords | 質量顕微鏡 / 脂質 / 脂質蓄積ミオパチー |
Research Abstract |
現在の生検組織検査は染色などの生化学的手法によるものが一般的である。この生化学的手法は疾患の診断や病理解析には不可欠の技術であるが、ターゲット不明の疾患には不向きである、得られる情報が限られている、時間や費用がかかるなどの欠点がある。本研究は、近年開発された質量顕微鏡を用いて簡便で多くの情報を得ることができる病態検査方法の確立を目指すことを目的としたものである。平成20年度は脂質蓄積ミオパチー生検筋と人工的に誘導したマウス脂肪肝を疾患モデルとし、組織上の脂質解析方法の検討ならびにMS/MSによる異常代謝物の同定を試みた。 平成21年度は、脂質蓄積ミオパチー代謝異常の多変量解析による探索とモデル動物の代謝物可視化条件を検討した。脂質蓄積ミオパチー解析においては、リン脂質異常に異常があることが示唆された。リン脂質の組成比を比較した結果、脂質蓄積ミオパチーにおいては、高度不飽和脂肪酸を多く含有するリン脂質に異常があることがわかった。この結果から、本研究で対象とした脂質蓄積ミオパチーはリン脂質代謝に関与する酵素異常が引き起こされていることが推測される。モデル動物解析においては、代謝物可視化に成功した。 本研究の遂行により、質量顕微鏡を用いて行う疾患検査の基本的な手法を確立することに成功した。今後は、モデルとした脂質蓄積ミオパチーのみならず他の疾患に応用できると考えられる。
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Research Products
(2 results)