2009 Fiscal Year Annual Research Report
ワークプレイス・トラウマの心理社会的影響並びに予防法・介入法に関する実証的研究
Project/Area Number |
20790429
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
大岡 由佳 Tezukayama University, 心理福祉学部, 講師 (10469364)
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Keywords | ストレス / トラウマ / 職場 / 医療福祉 |
Research Abstract |
ワークプレイス・トラウマの問題は、自らの職務遂行中に遭遇する出来事によって引き起こされるトラウマ(心的外傷)を指すが、消防隊員や警察官、看護職員をはじめとするヒューマンサービス業において注目されてきた。筆者は過去に消防隊員や看護職員の職場トラウマの実態調査を行い、それらの結果に基づいて、惨事ストレスマニュアルや啓発冊子等を作成してきた経緯がある。 本研究では、上記研究を発展させる形で、労働者の職場における心的外傷(ワークプレイス・トラウマ)によって被る心理社会的影響を特定し、その予防法並びに介入法について検証していくことを主眼においた。本研究の最終目標は、1.ワークプレイス・トラウマの発生要因の特定、2.ワークプレイス・トラウマが及ぼす影響と就労状況の関連性の検討、3.ワークプレイス・トラウマの予防法と介入法の検証を行うことである。 平成21年度においては、ワークプレストラウマの研究対象分野として、児童福祉分野における児童虐待対応を行う現揚に焦点をあて、調査研究を行った。そのところ、児童虐待対応を行うスタッフのストレスの背景には、児童虐待対応の大変さに加えて、法整備の問題や職員の専門職採用などの多岐にわたる関連課題が確認された。 また、今年度においては、更なる調査の遂行に向けて、障害者福祉施設の職員のワークプレイス・トラウマを検討する準備を協力研究者と共に進めてきた。障害者施設においては、障害者自立支援法後に業務が煩雑化し、職員が非常勤雇用へとシフトしていく中で、少なからず多くの職員がメンタルヘルス問題から休職・離職に至るようになっているのである。障害者施設職員の量的・質的調査を基に、対人援助職の職場におけるストレスの予防法・介入法の考案を、平成22年度・23年度で進めていく予定である。
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