2011 Fiscal Year Annual Research Report
ワークプレイス・トラウマの心理社会的影響並びに予防法・介入法に関する実証的研究
Project/Area Number |
20790429
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
大岡 由佳 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (10469364)
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Keywords | ストレス / トラウマ / 職場 / 医療福祉 |
Research Abstract |
ワークプレイス・トラウマの問題は、自らの職務遂行中に遭遇する出来事によって引き起こされるトラウマ(心的外傷)を指すが、消防隊員や警察官、看護職員をはじめとするヒューマンサービス業において注目されてきた。本研究では、上記研究を発展させる形で、労働者の職場における心的外傷(ワークプレイス・トラウマ)によって被る心理社会的影響を特定し、その予防法並びに介入法について検証していくことを主眼においていた。 平成23年度においては、最終年度として、ワークプレイス・トラウマの予防法・介入法を検討することであった。前年度に行った障害者福祉施設職員1173名の量的調査の結果から、職場のトラウマとして、パワハラ、いじめ、セクハラが深刻である実態が浮かびがってきていた。そのトラウマの影響は、長時間労働等の過酷な就労状況と密接に絡み合い、精神的不健康像を示していた。 そこで、これらの事態への予防・介入として、調査対象となった施設職員に対して、管理職、中間管理職、若手職員に分けてメンタルヘルスの研修を実施し、参加したことについてのヒアリングとアンケート調査を実施した。 管理職のパワハラについての研修実施については、管理職としてパワハラを行使する側にあるという認識が薄いことが明らかになった。また、中間管理職・若手職員の研修では、日ごろから、職場の問題や、自分の置かれている状況とメンタルヘルスについて話す場がないことが浮き彫りになり、互いにそのようなことを共有する重要性が確認された。これらの結果から、パワハラ・セクハラ・いじめについての定期的な研修を実施していくことの必要性が明らかになった。また、実際にそれらの行為によりトラウマを受けてしまった者について、相談できる専門窓口が必要であることも明らかになった。
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Research Products
(2 results)