2009 Fiscal Year Annual Research Report
代替医療素材を目指したプロポリスのウイルス感染症に関する研究
Project/Area Number |
20790430
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 寛美 Kyushu University of Health and Welfare, 薬学部, 助教 (80412831)
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Keywords | 食品衛生 / プロポリス / ウイルス感染症 / 代替医療 / 健康食品 |
Research Abstract |
プロポリスは、諸外国ではその多様な生理活性から、すでに代替医療素材として使用されている医薬品である一方、国内ではその科学的知見が低いことから健康食品としての使用に留まっている。著者はこれまでに、プロポリスがインフルエンザウイルス感染症に対して有効性な治療効果を持つことをマウス感染モデルを用いて見出した。本研究では、プロポリスのウイルス感染症に対するさらなる有用性を作用機序も併せて動物レベルにて明らかにし、プロポリスが代替医療素材として利用可能な食品であることを明らかにしていくものである。 平成20年度までに、数種のプロポリスのうち、直接抗ウイルス作用を有するものの他、マウス脾細胞を用いた実験から免疫賦活作用を有するものを見出した。これらプロポリスを用い、週齢(4週齢および6週以降)および種差の異なるマウスに経口投与したところ、それら効果に差が見られた。特に高齢のマウスでは、免疫賦活作用を有するプロポリスの投与により、脾細胞の増殖、Th1細胞に関わるサイトカイン産生促進、また、CTL活性の増強が見られ、インフルエンザウイルス感染症の重症化が軽減。ていることがわかった。さらに、これらプロポリスにはヘルペスウイルスに対しても抗ウイルス作用を有することを明らかにした。特に免疫賦活作用を有するプロポリスの投与は、ヘルペスウイルスの増殖抑制に関わるIFN-γを増加することによって抗ウイルス作用を示していることがわかった。 以上から、プロポリスが一部のウイルス感染症に対して治療効果を有することがわかり、代替医療素材として利用可能であることを示した。異なる週齢層のマウスを用いて評価したことからも、プロポリスの幅広い有用性と適正使用についての評価の一助となったと考える。
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