2008 Fiscal Year Annual Research Report
MRSによる異所性脂肪蓄積定量化-有効な生活習慣病予防に向けて-
Project/Area Number |
20790438
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八谷 寛 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30324437)
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Keywords | 肥満 / インスリン抵抗性 / 脂肪肝 / MRS / 生活習慣病 / 疫学研究 |
Research Abstract |
事前に文書及び口頭で研究内容を説明し、署名による同意を確認した対象者55人(男性47人、女性8人)に対して、Magnetic Resonance Spectroscopy(MRS)を用いて肝臓内に含まれるトリグリセライド蓄積量を測定した。その平均年齢は61.9歳(範囲 : 37から69歳)、平均body mass index(BMI)23.1kg/m^2(範囲 : 18.4から35.0)、平均腹囲87.2cm(範囲 : 70から113)、バイオインピーダンス法による体脂肪率は平均23.1%(範囲 : 13.5から39.7)であった。肝臓内脂肪は特定のChemical Shift(ppm)に現れるピークの振幅の大きさ(対水シグナル比)として測定され、その幾何平均は0.29(範囲 : 0.11から1.14)であった。また男性0.29、女性0.31と本解析対象集団において男女差は認められなかった(p=0.63)。性を補正した肝臓内脂肪とBMI、腹囲、体脂肪率との偏相関係数は0.55、0.50、0.57でいずれも有意であった(p<0.001)。肝臓内脂肪とインスリン抵抗性(HOMA指数)の相関係数は0.59(p<0.001)、性、年齢、BMI、腹囲、体脂肪率を補正した偏相関係数は0.44(p=0.002)であった。本結果はインスリン抵抗性の発現に肝臓内脂肪の蓄積が重要な役割を果たしている可能性を示唆するものと考えられた。
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