2008 Fiscal Year Annual Research Report
ひきこもり支援グループの機能・構造と効果・回復に関する質的研究
Project/Area Number |
20790448
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
吉田 光爾 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所・社会復帰相談部・援助技術研究室, 室長 (30392450)
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Keywords | 医療・福祉 / ひきこもり / 青年期精神医学 / 地域保健 |
Research Abstract |
本研究は、いわゆる「ひきこもり」に対するグループ支援活動の機能・構造および効果について、質的研究を用いて明らかにすることにある。本研究では、既にひきこもりのグループ活動を展開している各地の支援団体の支援者に「(1)グループ活動によるひきこもり支援の機能・構造」と、「(2)グループ活動によるひきこもり支援の特異性」 、「(3)グループ活動によってもたらされる効果・回復」について、インタビューを行い、グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的に分析をすることで、各テーマに関しての回答を類型化し、共通項を抽出する。それをもって、一定のスタンダード作りの基盤とすることを目指す。 平成20年度はまず、研究協力者とともに、研究序盤におけるインタビューの基礎となるインタビューガイドラインを作成した。このインタビューガイドラインは、「I.構造」 「II.機能」「III.回復」からなり、それぞれの象限について、その支援グループがどのような様態になっているかを明らかにするものである。これについては支援の概要をオーバービューするに足るものであるとして、支援の実施者から承認を得た。なお平成21年4月現在、本インタビューガイドラインに基づき、東京・宮城などひきこもりの支援者十数名に対して、インタビューを実施している状況である。インタビューを文字情報に起こし、コーディング、分析を実施中であるが、支援の対象範囲や、回復の定義などについて、各グループによる違いが大きく見られるため、理論的飽和にはいたっていない。平成21年度も引き続き理論的飽和に至るまで対象者を増やし調査を継続する予定である。
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