2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の食事におけるグリセミックインデックスと糖尿病発症に関する疫学研究
Project/Area Number |
20790449
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
櫻井 勝 Kanazawa Medical University, 医学部, 講師 (90397216)
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Keywords | 糖尿病 / 栄養学 |
Research Abstract |
今回の研究の対象は, 富山県内の某製造業事業所における職域集団を対象とした循環器疾患発症調査を目的としたコホートである。本年度は, 平成15年度に行った栄養調査の結果から, 食事のグリセミックインデックス(GI), グリセミックロード(GL)を求め, 既存の健診データと結合し, 糖尿病発症のデータベースを作成した。 1. 食事調査の解析 東京大学医学系研究科佐々木敏教授の協力のもと, 平成15年に行った自記式食事歴法質問票(DHQ)から, 食事のグリセミックインデックス(GI)・グリセミックロード(GL)値を算出した。 2. GI, GLと代謝異常との関連の検討(横断研究) GI, GLの結果と, 栄養調査の行われた平成15年度の健診結果を結合し, GI, GLと血糖値やインスリン抵抗性, 代謝異常の関連を検討した。この結果, 横断研究においては, GI, GLは空腹時血糖値やHbAlc, インスリン抵抗性指数など糖代謝の各種指標との関連は認めなかった。一方で, GLは男女ともにおいてHDLコレステロールと有意な負の関連を, LDLコレステロールと有意な正の関連(女性)または正に関連する傾向(男性)を認めた。 3. 糖尿病発症の確認 平成15年から平成19年までの毎年の健康診断のデータを収集して, 現病歴の問診や血液検査から血糖値の情報を確認した。また, 糖尿病が疑われるものに対して行われた糖負荷試験の結果を収集・整理した。この結果, 対象男女3,385人のうち, 平成19年までに141人の新規糖尿病発症を確認した。この結果を健診データと結合し, 糖尿病発症データベースを作成した。
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