2009 Fiscal Year Annual Research Report
男性骨折のリスク評価における骨質指標低カルボキシル化オステオカルシンの測定意義
Project/Area Number |
20790451
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤田 裕規 Kinki University, 医学部, 助教 (10330797)
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Keywords | オステオカルシン / 低カルボキシル化オステオカルシン / 骨粗鬆症 / 骨密度 / 生活習慣因子 / 第一次予防対策 / 骨質 |
Research Abstract |
平成21年度は、20年度以降に実施した藤原京、男性骨折スタディのベースライン調査を基に、データベースを作成し、統計解析手法を用いて低カルボキシル化オステオカルシンと骨密度との関係を評価した。解析対象は、ベースライン時に65歳以上の男性で、ステロイド療法や、骨代謝に関連のある疾患の既往者を除いた1665人であった。血清低カルボキシル化オステオカルシン濃度を四分位に分け、それぞれの分位での大腿骨近位部骨密度の平均値を比較することにより、低カルボキシル化オステオカルシンと骨密度の関連を評価した。第1四分位(最低濃度)の骨密度が0.911g/cm^2であったのに対し、第3四分位では0.883g/cm^2、第4四分位(最高濃度)では0.844g/cm^2と統計学的有意に低い骨密度を示した。さらに、血清低カルボキシル化オステオカルシン濃度の四分位と大腿骨近位部骨密度との関連について多変量ロジスティック回帰分析を行った結果、第1四分位に比べ第4四分位は2.76倍(OR=2.76)統計学的有意に骨密度が低いことを認めた。また、腰椎骨密度や大腿骨頸部骨密度に関しても大腿骨近位部骨密度と同様の結果が示された。今回はベースライン解析のため、低カルボキシル化オステオカルシンと骨密度の因果関係を明らかにすることはできなかったが、血清低カルボキシル化オステオカルシン濃度の増加により骨密度の低下が起こり、骨折を発症させる可能性が示唆された。平成22年度には追跡調査によりベースライン時以降の症候的骨折を把握し、低カルボキシル化オステオカルシンと骨折との関係を評価する予定である。
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Research Products
(1 results)