2008 Fiscal Year Annual Research Report
再呼吸モデルによる乳児寝具環境評価法の生体的実証の試み
Project/Area Number |
20790458
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
境 純 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (20431504)
|
Keywords | 乳児突然死 / 寝具環境 / 動物実験 / 再呼吸 / 二酸化炭素濃度 / 酸素濃度 |
Research Abstract |
本研究ではウサギの気管と救急蘇生訓練用乳児人形の鼻孔を接続して、人形を寝具にうつぶせにすることによる、呼吸の影響を調べた。ウサギはケタミンおよびキシラジンで全身麻酔を浅くかけ、さらに局所麻酔を併用して呼吸の抑制が最小限になるようにした上で、気管切開を行ってチューブを接続した。また、実験終了後は100%二酸化炭素を吸入させて安楽死させた。測定結果を分析したところ、寝具により程度は異なるものの、再呼吸による酸素濃度の減少と二酸化炭素濃度の増加がみられ、酸素濃度の減少が二酸化炭素濃度の増加より大きく、この二つが比例関係にあること、時間経過が事前に予測された数式である、FiCO2(t)=C(1-e^<-Dt>)、FiO2(t)=0.21-A(1-e^<-Bt>)に合致すること、動物実験であっても再現性が良いことが確認された。これは実験に用いた寝具環境及びウサギの一回換気量・呼吸回数の条件下で再呼吸が生じており、しかも二酸化炭素濃度を指標とした場合は酸素濃度を指標にした場合に比べて過小評価になるため、危険な寝具環境を軽視しかねないことを示唆するものである。以上の成果は平成21年5月半ばに開催される日本法医学会学術全国集会で発表する予定である。また、旧年度の成果により測定回路の改良点が見つかったため、新年度はその点を踏まえて測定回路に改良を施した上で、旧年度に測定した寝具環境及び新規の寝具環境で実験を行う予定である。
|