2009 Fiscal Year Annual Research Report
剖検中迅速に溺死の推定が行える血清学的予試験法の開発
Project/Area Number |
20790463
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
柿崎 英二 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (70284833)
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Keywords | 法医学 / 溺死 / 水棲細菌 / 酵素免疫測定法 |
Research Abstract |
本研究は剖検中迅速に溺死の推定が行える新しい血清学的検査法を開発するため,その指標となる水棲細菌を調査し,さらに酵素免疫測定法の検討を行った.先ず指標とする細菌種を検討するため,これまで解剖を行った溺死41例(海水域15例,汽水域8例,淡水域14例,浴槽内4例),および非溺死18例(水中で発見された2例,水辺付近で発見された16例)について血液中の優勢種を調査した.その結果,海水溺死例からはVibrio spp.,Photobacterium spp.,Listonella sp.,Shewanella spp.,Psychrobacter sp.などの海洋細菌,淡水溺死例からはAeromonas spp.,Shewanella sp.の淡水性の細菌がそれぞれ検出された.特に海水溺死例でのVibrio属,Photobacterium属,そして淡水溺死例でのAeromonas属は,特異的かつ高頻度に検出され,指標として有用であることが示唆された.これらの結果から淡水での溺死例においてはAeromonas hydrophilaを指標とした血清学的検査法の検討を行った.まず,イムノビーズないし集菌効果のある磁気ビーズを用いて溺死体の血液中の細菌を,目視ないし吸光度計によって検出する方法を試みたが,十分な感度が得られなかった.そこで蛍光光度計を用いて高感度に検出する方法を検討した.即ち一次抗体として本菌のモノクローナル抗体をイムノビーズに固相化し,2次抗体としてPeroxidaseを標識した本抗体によるサンドイッチ法を行い,解剖事例36例について検査を行った.しかし,特異性の点でさらに検討の必要性が示された.
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