2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790464
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
加藤 菜穂 Fukushima Medical University, 医学部, 助手 (20457766)
|
Keywords | 虚血再還流障害 / 挫滅症候群 / IL-6ノックアウトマウス / iNOSノックアウトマウス / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
挫滅症候群の動物モデルであるマウス下肢緊縛再還流モデルを用い、同症候群の多臓器不全の" 引き金" たる遺伝子発現変化の把握がら病態を解明することを目的とする。 マウス両下肢3時間緊縛再還流後の致死率はIL-6KO>野生型≧iNOSKOで、Fisherの直接確率計算法で緊縛解除24時間後のIL-6KO・iNOSKOマウス間に有意差を認めた。 マウスを緊縛後解除しないT3群・緊縛解除後1・2・3・12時間後に観察するTR1・TR2・TR3・TR12群と緊縛しないコントロール群に分け、腎におけるIL-6及びiNOSのmRNA発現量をリアルタイムPCR法で比較検討したところ、次のような結果を得た。 (1)IL-6mRNAは野生型・iNOSKOマウスとも緊縛解除後に増加し、野生型ではTR3・TR12群で、iNOSKOではTR1群以降で有意な差となった。(2)iNOSmRNAは野生型・IL-6KOマウスとも緊縛解除後に減少しともにTR2・TR3で意なとなったIL-6mRNAの変化は野生型よりもiNOSKOマウスで、iNOSmRNA発現量の変化はIL-6KOよりも野生型マウスで有意に高度であった。 BUN値はTR3群では各KOマウスが野生型より有意に高値を呈し、TR12群では全例100mg/dlを超える高度の変化を認めほか、腎のH-E染色では全例のTR12群において尿細管上皮細胞の核濃縮及び軽度の炎症細胞浸潤を認めた。 以上から本病態下での腎障害に対する、IL-6の保護的な、iNOSの増悪的な作用が示唆された。 より軽度な虚血再還流刺激により腎障害に対するIL-6及びiNOSの影響の差が強調されるものと考え、両下肢1.5時間緊縛再還流後の致死率及び腎における各種遺伝子のmRNA発現量を検討中であるが、検体数が目標に達しておらず、統計学的検討には至っていない。
|
Research Products
(2 results)