2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790464
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
加藤 菜穂 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (20457766)
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Keywords | 虚血再還流障害 / 挫滅症候群 / IL-6ノックアウトマウス / iNOSノックアウトマウス / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
本研究は、挫滅症候群の動物モデルであるマウス下肢緊縛再還流モデルを用い、同症候群の臓器障害の"引き金"たる遺伝子発現変化の把握から病態を解明することを目的とする。 前年度までにC57BL/6J野生型マウスとそのIL-6またはiNOSノックアウトマウスを用いて、両下肢3時間緊縛再還流後48時間以内の致死率とリアルタイムPCR法による腎におけるIL-6及びiNOSmRNA発現の変化、血中BUN値と腎組織の所見から、本病態下において、IL-6には保護的な、iNOSには増悪的な作用が示唆された。 今年度は、構成型NOS(cNOS)の一つであるeNOS mRNAの腎における発現状況を、リアルタイムPCRを用いて比較検討したところ、各遺伝子型マウスとも緊縛解除後に増加し、再還流12時間後に有意な変化となった。再還流3時間以内ではiNOSKOマウスで他の遺伝子型マウスより発現量は多く、iNOS抑制の影響及び晩期臓器障害の結果と考えられた。 現在、cNOSの一つであるnNOSと、IL-6及びiNOSの発現誘導に関与するとされるIL-1β及ひTNF-αの各mRNAの腎における発現状況とIL-6及びiNOSの関係について検討中である。また、各遺伝子型マウスについて、より軽度の緊縛再環流刺激である両下肢1.5時間緊縛再還流モデルを用いて同様の検討を行うことで、臓器障害成立の"境界"が見出せると可能性があると考えられ、引き続さデータを蓄積中である。 さらに、両下肢緊縛再還流後一定時間の再緊縛処置を加えるし"ポストコンディショニング"による臓器障害軽減効果の可能性につき、条件を検討中である。
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Research Products
(3 results)