2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790464
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
加藤 菜穂 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20457766)
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Keywords | 虚血再還流障害 / 挫滅症候群 / IL-6ノックアウトマウス / iNOSノックアウトマウス / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
本研究は、挫滅症候群の動物モデルであるマウス下肢緊縛再還流モデルを用い、同症候群の遠隔臓器障害の"引き金"たる遺伝子発現変化の把握から病態を解明することを目的とする。 前年度までに本病態下におけるIL-6の保護的、iNOSの増悪的作用が示唆されたほか、構成型NOS(cNOS)の一つであるeNOS mRNA発現パターンから晩期臓器障害を反映しかつiNOS発現抑制の影響下にあることが示唆された。しかし同モデルの致死率は各遺伝子型とも24時間以内に50%以上と非常に高く、その他特定のmRNA発現変化と臓器障害の関連性は判然としない。 そこでより軽度の緊縛再還流刺激として48時間以内の致死率が21%であった両下肢1.5時間緊縛再還流モデルで再検討したところ、腎でのIL-6及びiNOS mRNA発現パターンは両下肢3時間緊縛モデルと類似しており、他の関連遺伝子発現パターンの検討により臓器障害成立の"境界"を見出せる可能性が示唆された。 さらに両下肢緊縛再還流後一定時間の再緊縛処置を加える"ポストコンディショニング(PC)"による臓器障害軽減効果について、「両下肢1.5時間緊縛・1分間再還流・10分間再緊縛」という条件を設定し、生存曲線と腎でのmRNA発現量の変化を検討したが、PCによる有意な変化を認めなかった。 一方、両下肢3時間緊縛モデルに関して、野生型マウスから新たに血液を採取しELISA法を用いて血中サイトカイン類濃度を検討したところ、緊縛再還流後のLeptin及びG-CSFの増加とIGF-1の減少が観察され、これらの病態への関与について更なる検討を要する。
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Research Products
(1 results)