2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790471
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧本 禎之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00396699)
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Keywords | 摂食障害 / 腸管機能 / 栄養 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、サンプル収集を行った。最終的に低栄養状態の神経性食思不振症患者(AN)33名(神経性食思不振症制限型(AN-R) : 18名、神経性食思不振症過食排出型(AN-BP) : 15名)と健常者20名のサンプルを収集することができた。 測定したサンプルに対して、Takagiらが提唱したsensitive colorimetric assay法(Takagi K et al. Sensitive colorimetric assay of serum diamine oxidase. Clinica Chimica Aqcta 226 : 67-75. 1994)に基づきdiamine oxodase(DAO)活性の測定を行った。 結果は、BMIの値は、AN-R13.0±1.5kg/m^2、AN-BP14.1±1.4kg/m^2、健常者20.9±1.2kg/m^2であった。入院時ベースラインの血清DAOの値は、AN-R11.5±4.7u/ml、AN-BP11.3±2.7u/ml、健常者12.8±2.4u/mlであり、AN-R,AN-BPにおいて、血清DAOの平均値は健常者と比較して低値であるものの、統計学上の有意差は認めなかった。しかしながら、入院前後のAN患者の血清DAOの変化を検討したところ、入院前の血清DAOが11.7±3.7u/mlであるのに対して、入院後の血清DAOは9.9±3.2u/mlと有意に低下していた。入院前後のBMIは入院前12.5±1.4kg/m^2、入院後13.7±1.2kg/m^2、と増加しているにも関わらず、腸管機能を反映するDAOの値は低下する原因は不明だが、再栄養の一つのマーカーとしてDAOの利用可能性が示された。
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