2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の治療を目的とした漢方方剤および生薬の検索とその作用機序の解析
Project/Area Number |
20790478
|
Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
関谷 倫子 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 助教 (40367412)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 漢方方剤 / 温脾湯 / 生薬 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,運動ニューロンの変性・脱落を特徴とする神経変性疾患である。本研究では,生薬および漢方薬などの天然資源から,ALSの特徴である運動ニューロン障害に対して効果のあるものを探索するために,培養細胞を用いた実験系を設定し,スクリーニングを行った。 スクリーニングは,運動神経細胞由来細胞株NSC-34を用いて行った。NSC-34に酸化ストレス誘発剤のSIN-1(Peroxynitrite発生剤)およびH 2O 2,小胞体ストレス誘発剤のツニカマイシン,SOD1阻害剤のジチオカルバメートをそれぞれ負荷し,それらによって誘発される細胞死が,生薬,漢方薬,植物エキスおよび天然由来化合物の添加でどの程度軽減されるかを検討した。その結果,H 2O 2による細胞生存率の低下に対してはブルーベリーエキスが改善効果を示し,SIN-1誘発の細胞死に対しては(-)-epicatechin-3-0-gallateが有意な効果を示した。いずれも酸化ストレスによる運動神経細胞死に対する効果であったため,これらのエキスおよび化合物のALSに対する作用をより詳細に検討するために,ラットの脊髄組織培養(スライス培養),および遺伝型ALSの原因遺伝子であるSOD1遺伝子の変異型(G93A)を導入したNSC-34細胞を作製している。今後,これらの実験系を用いて作用の詳細を検討するとともに,さらに多くの天然物のスクリーニングを進める予定である。
|
Research Products
(4 results)