2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロン、小胞体(ER)ストレスとHCV複製増殖動態の解析
Project/Area Number |
20790487
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中川 美奈 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座助教 (30401342)
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Keywords | サイクロスポリンA(CsA) / C型肝炎ウイルス(HCV) / サイクロフィリン / PPI活性 / 分子シャペロン / Fumarylacetoacetate hydrolase(FAH) / HCVレプリコン / 脂質・コレステロール代謝 |
Research Abstract |
(1) サイクロフィリン・分子シャペロンを標的とした抗ウイルス療法の確立 HCV複製増殖の場と考えられている細胞質、小胞体に存在するサイクロフィリンはPPI活性を持ち分子シャペロンとしての機能を果たしていると考えられるが、サイクロフィリンのsiRNA.発現ベクターによりノックダウン細胞を作成し、HCVレプリコンの増殖効果を解析したところ、それぞれのサイクロフィリンA, B, Cの発現抑制によりレプリコン増殖は有意な抑制効果を認め、これらのサイクロフィリンがHCV増殖に関与していると考えられた。Two hybrid法を用いてHCV蛋白とサイクロフィリンA,BおよびCの相互作用を確認したが、いずれの組み合わせでもシグナルは検出されず、HCV蛋白とサイクロフィリンの直接会合は認めなかった。そこで、第3の蛋白と複合体を形成している可能性を考え、サイクロフィリンと会合する宿主蛋白を同定するため、ヒト肝臓cDNAライブラリーを対象にTwo Hybrid法による網羅的探索を行い宿主蛋白の網羅的スクリーニングを行ったところ、サイクロフィリンと会合する蛋白としてFumalylacetoacetate hydrolase(FAH)、Homo sapiens insulin-like growth factor binding protein 2(IGFBP)が同定され、siRNAによる発現抑制によりウイルス増殖を確認したところFAHによりHCVレプリコン増殖が抑制されることを確認した。 (2) HCV感染増殖に関連する宿主因子、および抗ウイルス薬剤・化合物・ペプチドの網羅的スクリーニング我々が独自に開発したHCV増殖モデル、及びHCV-JFH1感染細胞を用い、抗ウイルス活性を持つ化合物・宿主蛋白などの探索、機能解析を遂行し、以下の結果を得た。(1) 8,000種の合成化合物のスクリーニングにより、HCV増殖を抑制する41種の化合物が同定され、IC50の優れた5個のepoxide誘導体を同定した。(2) HCV複製増殖に関与する代謝・シグナルネットワークの網羅的解析により、脂質・コレステロール代謝に関わる代謝・シグナルネットワークの関与、関連薬剤の効果を確認した。
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Research Products
(12 results)