2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓の脂質合成を促進する新たな転写プログラムの同定と制御機構解明
Project/Area Number |
20790496
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 永勝 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40359914)
|
Keywords | 脂質合成 / 遺伝子 / 転写 |
Research Abstract |
グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAT)は生体内脂質合成反応の律速酵素である。GPAT遺伝子の発現制御機構の解明は非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の発症予防あるいは治療手段の開発に大きく貢献するものと期待されている。申請者はこれまで、従来のmtGPAT 1に加え、新規に同定したxGPAT 1遺伝子の発現プロモーターDNA配列を決定した。本研究では、決定したプロモーター配列を基にGPAT遺伝子の転写制御機構を検討した。分子生物学的手法によるin vitro解析とコンピューター解析を組み合わせた検討の結果、mtGPAT 1およびxGPAT 1の遺伝子発現プロモーターに共通に結合する転写制御因子としてSREBP 1,USF1を得た。ゲルシフト法により、SREBP 1なGPATプロモーター上のsterol regulatory elementおよびE-boxに、USF1はE-boxおよびestrogen receptor response element様配列に結合することが明らかとなった。mtGPAT 1は2つのプロモーター領域(1aおよび1b)を有しており、1aプロモーターがSREBP 1により正に調節されることがわかった。USF1は1aおよび1bプロモーターを正に調節した。マウス肝臓においてSREBP 1とmtGPAT 1の発現量は絶食により低下し、摂食後に増加した。しかし、db/dbマウスにみられるNAFLDにおいて発現量に変化はなかった。一方、xGPAT 1にも2つの発現プロモーター領域(1aおよび1b)が確認され、1aプロモーターに調節されるxGPAT 1-v1バリアントの発現がNAFLD肝臓で上昇した。次年度にxGPAT 1のプロモーター活性に対するSREBP 1やUSF1の作用を明らかにし、NAFLD肝臓におけるxGPAT 1発現上昇メカニズムを検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)