2009 Fiscal Year Annual Research Report
進行・再発固形腫瘍に対する新規腫瘍抗原エピトープペプチドを用いた免疫療法の開発
Project/Area Number |
20790498
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊賀 睦了 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20422420)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 腫瘍抗原ペプチドワクチン / 制御性T細胞 / 臨床試験 |
Research Abstract |
当初平成20年度終了予定であった臨床試験を平成21年1月29日に終了、11例を登録、9例がプロトコール完遂に至った。9例中4例にSD(stable disease)症例を認め、免疫学的な解析(抗原特異的CD8T細胞における細胞内サイトカイン染色)により、objective responseを認めたSD症例において上記エピトープペプチド特異的CD8+ T細胞にIFNγ産生を確認した。一部のPD症例を含む200日以上長期生存した症例においてはワクチン接種部位に発赤、腫脹、硬結反応を認めている。これらの所見は免疫学的な反応と臨床効果が相関する可能性を示唆するものと考えられ、確実性を高めた第II相臨床試験を実施すべく、各レベル3人の3段階容量漸増試験を前回と同様な内容で追加し、平成22年3月31日現在、計22例を登録、17例を完遂した。本17例においてこれまでにGrade3以上の有害事象を認めていない。現時点で評価を終了した15例中8例にSD (stable disease)症例を認め、追加症例における免疫学的解析を進めている。制御性T細胞(Treg)評価を終了した11例において、シクロフォスファミド(CPM)投与前を100%とし、その排除効率を相対的に示したTreg阻害レベルはワクチン投与終了後ほぼ全例でベースラインより低いレベルに留まった。一方、CD4のレベルはワクチン投与終了後に開始前のベースライン以上に回復する症例が5例あり、Tregの推移との比較において大きな相違点となっており、CPMのTregに対する特異的な作用を示唆している可能性がある。今後は追加症例のフローサイトメトリーによる解析に加え、Elispot、患者血漿中サイトカイン、ケモカインの測定を含む免疫学的解析を行いさらなる検討を行っていく。
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Research Products
(1 results)