2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃排出障害ラットモデルにおけるグレリン動態とGHS受容体発現の検討
Project/Area Number |
20790506
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩崎 栄典 Keio University, 医学部, 助教 (10366172)
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Keywords | グレリン / 機能性デイスペプシア / 胃排出障害 / GHS受容体 / カハール介在細胞 / 迷走神経 |
Research Abstract |
機能性ディスペプシアはいまだにその病態と治療は確定したものはなく、世界的に注目され多くの研究が進行している。我々は臨床研究において機能性ディスペプシアと血漿グレリンが関与することを報告した(Aliment. Pharmacol. Ther. 24(S4):104-110,2006)。グレリンは摂食、胃運動を調節するペプチドホルモンであるが、機能性ディスペプシアの病態とグレリンの関与はいまだ不明である。われわれは、ラットの幽門部を不完全に閉塞させる胃排出障害ラットモデルを作製し、2週間後に検討した結果、胃壁、とくに筋層の肥厚と、空腹時血漿グレリンの増加、分泌亢進の方向にシフトすることがわかった。さらにGHS受容体の発現が減少することから、グレリンの感受性が低下することが示唆され、平成20年アメリカ消化器病学会にて発表した(2008年、サンディエゴ)。また、慢性胃排出障害への代償的なグレリンの分泌亢進は胃平滑筋、胃神経叢、カハールの介在細胞(ICC)のネットワークを活性化させることがわかり、またグレリン作用を拮抗したところこれらのネットワークの活性化が阻害されたことから、グレリン、迷走神経、胃筋間神経叢、ICCの関わりと、今後の治療応用への重要な知見を得ることができた。この内容は平成21年アメリカ消化器病学会にて発表した(2009年、シカゴ)。これらの知見を総合し、グレリン国際シンポジウムで発表した(2009年、東京)。
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Research Products
(5 results)