2008 Fiscal Year Annual Research Report
IL-23産生腸管粘膜マクロファージのクローン病病態への関与
Project/Area Number |
20790507
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鎌田 信彦 Keio University, 医学部, 助教 (70407112)
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Keywords | 免疫学 / 炎症性腸疾患 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
a)LPMC中のTh17抑制因子および産生細胞の同定。 予備検討としてIL-23のクローン病粘膜固有層単核細胞(以下LPMC)および単離した粘膜固有層CD4+T細胞今の影響について検討を行った結果、CD4+T細胞からはIL-23刺激によりTh1サイトカインIFN-γ、およびTh17サイトカインIL-17の産生が亢進した。しかしながらLPMCではIFN-γのみ誘導されIL-17の誘導は認めら九なかった。このLPMC中に認められるIL-17産生抑制因子について検討を行った結果、Th1サイトカインであるIFN-γ、およびIL-12存在下では単離した粘膜固有層CD4+T細胞からのIL-17産生は著明に抑制されることが明らかになった。以上より、クローン病腸管粘膜固有層CD4+T細胞はIFN-γ, IL-17双方の産生能を有するものの、クローン病粘膜局所におけるNK細胞などから産生される過剰なIFN-γをはじめとするTh1優位な炎症環境がIL-17誘導を抑制し、結果としてIL-23刺激においてもIL-17よりむしろIFN-γが強く誘導されると考えられる。 b)腸内細菌刺激により誘導されるIL-23補助因子の同定。 クローン病腸管CD4+T細胞をIL-23で刺激すると多量のIFN-γ産生が認められる。本研究でIL-23と協調的に働く因子について検討編した結果、炎症性サイトカインであるTNF-α, IL-1βがIL-23との共刺激により腸管CD4+T細胞から過剰なIFN-γ, IL-17を引き起こすことが明らかになった。一方でIL-6にはこのような相乗作用は認められなかった。以上より、腸管粘膜局所では腸内細菌などの刺激により活性化した腸管マクロファージから産生されるIL-23がTNF-αやIL-1βと協調的に働き、T細胞の過剰な活性化、IFN-γ産生誘導を介してクローン病の病態に寄与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)