2010 Fiscal Year Annual Research Report
PBCの病態形成には胆管上皮細胞のオートファジーによる自己抗原提示が関与する
Project/Area Number |
20790515
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
天野 克之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70424645)
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Keywords | PBC / 胆管細胞 / オートファジー |
Research Abstract |
@オートファジー細胞死BEC投与によるPBCモデルの治療効果の検討 §治療効果の検討 T細胞依存性胆管細胞障害を認め樹状細胞の異常がないNOD.c3c4マウスPBC自然発症モデル(米・UCデービス校Garshwin教授より供与を受けた)に、in vitroでオートファジー細胞死を誘導したBECまたはオートファジー細胞死BECを貪食させた樹状細胞を、胆管病変発症前の5週齢、発症後の12週齢時に腹腔内投与し、胆管病変の評価により治療効果を検討した。 発症前にオートファジー細胞死BECを貪食させた樹状細胞を投与すると胆管病変は軽度改善したが有意差はなく、発症後の投与では胆管病変の改善は全く認めなかった。また、血清中の胆道系酵素、抗ミトコンドリア抗体の抗体価は、オートファジー細胞死BECを貪食させた樹状細胞の投与時期にかかわらず、全く変化を示さなかった。 §治療効果発現機序の解析 このモデルでは肝内CD4、CD8細胞浸潤を認め、脾臓CD3細胞のNOD-scidマウスへの受身移入により胆管病変が誘導できる。そこで上記の検討で、有意差はないものの発症前にオートファジー細胞死BECを貪食させた樹状細胞を投与すると胆管病変は軽度改善したため、治療を施したマウスの肝内浸潤T細胞の動態、脾臓CD3細胞のNOD-scidマウスへの受身移入による胆管病変誘導の有無を解析した。しかしながら、治療を施したマウスの肝内浸潤T細胞の動態は未治療のマウスのそれとほとんど同一であった。また、治療を施したマウスの肝内浸潤T細胞、脾臓CD3細胞を受身移入しても、いずれの場合も胆管細胞障害の惹起は抑制されなかった。
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