2008 Fiscal Year Annual Research Report
TGFーβシグナル伝達とリンパ球分化、胃粘膜免疫応答、発癌メカニズムの関連解析
Project/Area Number |
20790516
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
福井 寿朗 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (60402905)
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Keywords | 癌 / 細菌 / シグナル伝達 / 発生・分化 / 免疫学 |
Research Abstract |
1. Tn細胞からTh17・Treg細胞への分化におけるTGF-βシル伝達メカニスの解析 末梢においてTn細胞からTh17・Treg細胞への分化に必要とされるTGF-βのシグナル伝達メカニズムを解析し、相反する作用を持つこれら二つの細胞がTGF-βという同じサイトカインからの刺激により分化するメカニズムを特にSmad2/3におけるリン酸化部位の差異に着目しつつ検討中である。 2. 胃疾患におけるTh17、Treg、TGF-βによる粘膜免疫応答、発癌メカニズムの解析 コントロール群を含め各群のマウスを計画に沿って購入・処置後飼育し、ヘリコバクター短期・長期感染モデルなどを作製し実験の準備状態を整えている。またこれまでに作製した疾患モデルマウスの検体を用いて、特にSmad2/3におけるリン酸化部位の差異に着目しつつ各疾患モデルの病態解析を進めている。 (1) C57BL/6マウス(Th1反応優位、ヘリコバクター胃炎強い、発癌あり)を購入し、生後8週にヘリコバクター・フェリスを1×10^8経口接種し、その後継続的に飼育し、現在最長のもので感染後1年が経過している。既に慢性萎縮性化生性胃炎のモデルは作製されたが(感染後3ヶ月まで飼育)、胃癌のモデルはさらに6ヶ月以上の持続感染が必要であり(感染後18ヶ月まで飼育)、現在も飼育を続けている。(n=20で設定) (2) 慢性萎縮性化生性胃炎・胃癌のモデルマウスの組織検体にて、部位特異的抗リン酸化Smad2/3抗体を用い、免疫染色を予備的に施行した。胃粘膜の炎症・萎縮・過形成が進行するに従い、経時的にSmadのリンカー部がリン酸化されたpSmad2/3L陽性細胞が増加していた。一方完成された胃癌モデルにおいては、pSmad2/3L陽性細胞は正常レベルまで復していた。現在これら陽性細胞の炎症・発癌における意義を解析中である。
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Research Products
(4 results)