2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウス心筋虚血再灌流障害および心筋梗塞モデルにおけるケミカルシャペロンの影響
Project/Area Number |
20790521
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡島 正樹 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (00361999)
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Keywords | ERストレス / 虚血再灌流 / 心筋梗塞 / シャペロン |
Research Abstract |
第1目的として、心筋虚血再灌流障害における小胞体ストレス応答の関与をmRNAおよびタンパクレベルで確認する。さらに、ケミカルシャペロンとして知られる4-フェニル酪酸(4-PBA)が小胞体ストレスを軽減するか否かを組織およびタンパクレベルで検討し、虚血再灌流後梗塞巣の縮小と心機能保持に寄与する可能性を検討する。 また、第2目的として、同様に心筋梗塞モデルにおいても、4-PBAが梗塞巣を縮小するか否か、および心機能保持に寄与するか否かを検討する。さらにそのメカニズムについて組織およびタンパクレベルで検討する。 平成20年度は、第1目的につき検討した。結果、まずマウス心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、小胞体ストレス応答が関与していることが確認された。そこで、ケミカルシャペロンとして知られる4-PBAが梗塞巣を縮小させるかを検討したところ、4-PBAは虚血再灌流後のアポトーシスを抑制することで梗塞巣を縮小させた。その結果、心機能の悪化を防ぎ、21日生存率が改善した。メカニズムとして、ケミカルシャペロンである4-PBAが小胞体ストレス応答を軽減することが予測され、実際に小胞体ストレス応答の際上昇するGrp78やCaspase12といったタンパクの生成が、4-PBAにより抑制されたことが確認された。 以上の結果は、急性冠症候群において、4-PBAが再灌流療法に付加的メリットを与える可能性を示唆しており、現行の治療法に加えられるべき新たな治療戦略となりうる可能性を秘めていると考えられる。 なお、第2目的については、平成21年度に検討する。
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Research Products
(1 results)