2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧の病態におけるAngiopoietin-1/Tie2シグナルの役割解明
Project/Area Number |
20790528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 忠 Osaka University, 医学系研究科, 寄附講座助教 (60403078)
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Keywords | angiopoietin-1(Ang1) / Tie2 / Gabファミリー蛋白質 / 肺高血圧症 / MAPキナーゼ / AKT / シグナル伝達 / 相補性 |
Research Abstract |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)では、Angiopoietin-1(Ang1)とその受容体Tie2がその病態に重要と考えられている。我々は内皮細胞でのGabファミリー蛋白質に注目して以下の解析を進めた。 (1) ヒト血管内皮細胞でのsiRNAを用いたGab1/2のノックダウンによるAng1/Tie2シグナル伝達の解析:ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)及びヒト肺動脈内皮細胞(HPAEC)ではGabファミリー蛋白質ではGab1とGab2の2種類がともに発現する。昨年度、我々はHUVEC及びHPAECでGab1とGab2をsiRNAでシングルノックダウン(KD)すると、Gab2-KDではAng1依存性のERK1/2及びAKTの活性化が共にほぼ遮断され、Gab1-KDではAKTのみの部分的な抑制が見られることを明らかにした。本年はGab1とGab2を両者ともKDするとERK1/2及びAKTの活性化が完全に遮断されることを明らかにした。この結果は、昨年度に行った実験でのGab1優性抑圧変異体、Gab2優性抑圧変異体の過剰発現でAng1/Tie2シグナルによるERK1/2活性化がともに抑制される結果と符合し、Gab1とGab2がAng1/Tie2シグナルで相補性を有することが強く示唆された。 (2) タモキシフェン誘導性内皮特異的Gab1/Gab2二重欠損マウスの作成:上記の結果から、内皮細胞でのAng1/Tie2シグナルを完全に遮断するにはGab1とGab2の両者を欠損させる必要があると仮説をたて、本年度はGab1flox/flox; Gab2-/-, VE-Cadherin-ERT2マウスの作成を行った。現在までに、本マウスで低酸素(10%O2)下での飼育による肺高血圧モデル作成の準備実験を行った。
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Research Products
(2 results)