2008 Fiscal Year Annual Research Report
心不全病態形成における蛋白質分解機構の関与の検討と治療への応用
Project/Area Number |
20790529
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
彦惣 俊吾 Osaka University, 保健センター, 助教 (30423164)
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Keywords | 心不全 / アポトーシス / タンパク分解系 |
Research Abstract |
calpainを介した経路が心不全発症に関与しているか否かを検討するため、calpain 4 floxマウスとα-myosin heavy chain promoter依存性にcre recombinaseを発現するトランスゲニックマウスを交配して、心筋特異的calpain4ノックアウトマウスを作製した。このマウスの心筋から抽出したタンパクを用いてウエスタンブロットをおこない、ノックアウトマウスの心筋においてcalpain4だけでなく、μ-おにびm-calpainの発現も消失していることを確認した。また10週齢のマウスを用いて、心臓超音波法や組織学的方法を用いて定常状態における心臓の構造、機能について検討し、ノックアウトマウスとコントロールマウスの間で有意な差がないことを確認した。次にこのマウスを用いて横行大動脈縮窄による圧負荷心不全モデルを作成し、経時的に心臓超音波による評価をおこない、その表現型を検討した。また、負荷後の心筋におけるアポトーシス性心筋細胞死の程度についてin situ TUNEL assayを用いて検討した。さらに、その表現型を呈した分子機序を明らかにするべく、プロテオミクス的手法を用いてcalpainの標的分子について検索をおこなった。上記の結果はin vivoの心臓でのストレス応答におけるcalpainの役割を世界で初めて明らかにしたものであり、極めて重要な結果である。
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