2008 Fiscal Year Annual Research Report
同一病因遺伝子変異を持つ肥大型心筋症における病態修飾因子の検討
Project/Area Number |
20790533
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
久保 亨 Kochi University, 医学部・附属病院, 医員 (80325422)
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Keywords | 肥大型心筋症 / 遺伝子 / 臨床 |
Research Abstract |
肥大型心筋症における遺伝型と表現型(臨床病型)の関連性を検討するにあたり、平成20年度は遺伝子スクリーニングを施行した。肥大型心筋症例93家系の遺伝子解析を5つのサルコメア蛋白遺伝子(MYBPC3、MYH7、TNNT2、TNNI3、TPM1)について施行した。解析結果は、28家系に14種類の遺伝子変異を同定した。そのうち2家系の発端者はmultiple mutations(double heterozygotes)を有していた(第73回日本循環器学会総会・学術集会)。 表現型の評価では、本症の左室リモデリングに焦点をあていくつかの研究を行った。リモデリング過程を詳細に検討し、左室壁運動異常の出現順序や異常の程度などを明らかにした(Hayato K, et al. J Cardiol 2008 ; 52 : 111-117)。さらに、リモデリングの最終像である拡張相肥大型心筋症と、同様に左室収縮不全を来たす拡張型心筋症について、その臨床像の比較を行い、拡張相肥大型心筋症でははるかに予後が不良であることなどを報告した(Hamada T, et al. Clin Cardiol 2008 ; in press)。心エコー検査による左室拡張能評価と運動耐容能との関連についてバイオマーカーであるBNPと比較検討し論文報告を行った(Kitaoka H, et al. J Cardiol 2008 ; in press)。また、肥大型心筋症の我が国における地域登録調査を行い、特に中年〜高齢患者においては心房細動の出現が臨床経過の重要な起点となっていることも判明した(Kubo T, et al. Circ J 2008 ; in press)。
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Research Products
(9 results)