2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790535
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳥巣 久美子 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 非常勤研究員 (20448434)
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Keywords | 動脈硬化 / DNA損傷 / マウス / 循環器、高血圧 |
Research Abstract |
動脈硬化モデルとして使用したApoe^<-/->マウスの動脈硬化巣内の8-oxoGの蓄積を免疫染色によって示した。内膜肥厚部位の核中の8-oxoGを免疫染色によって検出した。血管内皮細胞、泡沫マクロファージ、平滑筋細胞のいずれにおいても8-oxoGの高い蓄積を認めた。大動脈、特に血管内皮細胞でMTH1が発現するとの報告がある。MTH1が8-oxoGの蓄積を抑制し、動脈硬化の進展抑制に働く可能性を期待した。 ヒトMTH1-Tg/Apoe^<-/->マウスオス(n=9)とコントロール群であるApoe^<-/->マウスオス(n=9)に対して、8週齢から22週間高脂肪食(0.15%コレステロール、総カロリー比40%)を投与した。高脂肪食投与中の体重増加はヒトMTH1-Tg/Apoe^<-/->マウスとApoe^<-/->マウスでは同じであった。一方収縮期血圧はヒトMTH1-Tg/Apoe^<-/->マウスがApoe^<-/->マウスに対して10mmHg程度高い傾向があった。30週齢で解剖し動脈硬化及びその危険因子を解析した。大動脈起始部から総腸骨動脈分岐までの全大動脈を一塊として0il red 0染色を行った。 hMTH1-Tg/Apoe^<-/->マウスの0il red 0陽性面積が大きい傾向にあった。高脂血症の程度はヒトMTH1-Tg/Apoe^<-/->マウスとApoe^<-/->マウスで差はなかった。以上をまとめるとhMTH1の過剰発現により収縮期血圧は上昇し、動脈硬化も増悪する傾向にあった。近年シグナル伝達物質としての8-oxoGが生体の恒常性維持に重要との報告がある。今回の結果からは動脈硬化の抑制シグナルとしての8-oxoGの役割を考えた。
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